旅の余白 | チャールストン サウスキャロライナ
- Sakura Nimura
- 3月11日
- 読了時間: 3分
更新日:5月1日

「アメリカ国内で好きな街は?」と聞かれたら、私の中で上位に入るのが、アメリカ南部にあるサウスカロライナ州のチャールストンです。これまで何度訪れたか数えきれないほど、個人的に大好きな小さな街。
”アメリカ南部”とひとくちに言っても、それは広範囲に渡ります。バージニア州からテキサス州にまで及ぶ16州が含まれます。そんな中、サウスキャロライ州チャールストンはアメリカ合衆国の中では最も歴史が古い地域の一つであり、イギリス植民地時代の名残を今も色濃く感じることができる場所です。
日本人なら学校で習ったであろうアメリカの大規模農園「プランテーション」が多く存在していた場所で、現在ではその跡地が美しいガーデンになっていたりします。

南部の人たちは話し方からして穏やかで、丁寧でフレンドリー。「南部のホスピタリティ」という言葉のとおり、おもてなしの精神が文化として根づいています。ご近所づきあいを大切にし、アメリカ人にしては体裁を気にする傾向もあり、他の地域に比べてきちんとした装いの人が多い印象があります。
チャールストンは、アメリカ南北戦争以前には非常に栄えていた街で、今もその面影を残す歴史的な建物が多く残っています。古き良きアメリカの情緒が漂い、食文化も豊かで、グルメな人々にも人気の街です。
映画『きみに読む物語(The Notebook)』の舞台にもなった場所としても知られています。午後は家のポーチに置かれた揺り椅子に座って、甘いアイスティーを飲みながら家族や近所の人と雑談、みたいな、ゆったりしたステレオタイプ的なイメージがあります。
でもその影には、黒人奴隷制度という暗い歴史があり、また南北戦争で北部に敗れた悔しさをどこかで引きずっている空気もあります。保守的な価値観が根強く、地域に根付いたキリスト教系教会の存在も大きいので、そういった要素が人々の秩序やつながりを支えているようです。

そんなチャールストンは、日本人の目から見ると、豊かな食文化、温かいホスピタリティ、美しい街並みが揃った、とても心地よい街です。郊外には美しい庭園(かつてのプランテーション)が多く、大西洋に面したビーチも点在し、バケーション先としてもぴったりな場所です。
私がチャールストンに通い始めたのは十五年ほど前で、当時はまだ今のようなチャールストン人気が来る前でした。「こんな素敵な街のホテルやレストランが、こんなにリーズナブルに楽しめるなんて!」と感動したのですが、でもこの10年ほどで状況は一変。今では全米屈指の人気観光地となり、ホテルの価格は上昇、人気レストランの予約も難しくなりました。


今回は、冬が長い我が家を抜けだして束の間の春を感じる目的で訪れたのですが、同時にアメリカツアーに来ていたコメディアンAziz Ansari のライブを観に行きました。あとは美味しいものを食べて散歩して、アートを鑑賞。
それにしても、アメリカは広い。そして、文化も人々も、本当に多様です。
チャールストンに来ると、ニューヨークを訪れるよりもおしゃれがしたくなります。レストランによってはドレスコードがきちんとしていてスニーカーでは入れないこともありますから、事前にお店のウェブサイトなどをチェックしておくことをおすすめします。
素敵なブティックやアートギャラリーが溢れていて、街歩きも楽しい南部の美しい街チャールストン。きっとまた、訪れると思います。
ちなみに、今回利用したホテルは、Zero George, Planters Inn,そしてRegatta Inn です。ご参考まで。
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