心の余白帖 | 雪の日は内向的な人のハッピーデイ
- Sakura Nimura
- 2月22日
- 読了時間: 4分
更新日:5月1日

この地域は寒いわりに雪があまり積もらないのが特徴ですが、今年は例年よりも雪が多くて寒さも長引きました。地元の人たちも「今年はいつにも増して、この季節にうんざりするね」と口にしています。
天候が原因で感じる気分の落ち込みは、静かに、気づかぬうちに近づいてきます。
「気がつけば何日も気分が沈んでいた」なんてこともあるので、注意が必要です。
私自身は、秋から冬にかけて旅行の予定をなるべく詰めるようにしていて、定期的に暖かい場所に行ってビタミンD補給をしては自宅に戻り、と体調と気持ちのバランスを取っています。
とはいえ、家から出れない寒い日や雪の日は、むしろ嬉しくなることもあります。
なぜなら、雪が積もると、外の世界がしんと静まり、神聖で特別な空気を感じるから。
余計な音が一切なくなるので、自分と自分が存在する「場」の距離が、急に近くなるような不思議な気持ちになります。
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天気の関係で外出を控える時、意識は家の中でできることに意識が向きます。大雨の日もそうですが、「外に出なきゃ」というプレッシャーもなく、罪悪感なく家の中に篭ることができます。
それって、内向的な人間にとっては嬉しい、贅沢な時間ですよね。
クリエイターやアーティストを職業にしている友人には、冬の静かな時間をむしろ愛しているという意見が多いです。その理由は、賑やかな春・夏と比べると、精神的に落ち着いてプロジェクトに取り組むことができるからだそう。創作活動をする時にはあえておこもりする、というアーティストの話もよく聞きますから、寒い冬はそういった意味でクリエイティブな方には必要な時期なのかもしれません。
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私自身は、内向的な性質が強いので、おこもりできるこの時期は仕事が捗ります。仕事以外にも、インドアの趣味に使える時間がぐんと増えるので、毎年、「冬にする趣味のプロジェクト」というのを決めていて、春・夏にはコツコツとその準備をしたりしています。
ちなみに、心理学的には、内向的な人は決して社交するのが苦手というわけではなく、むしろ心が通じる仲間たちとの時間は楽しく、濃く過ごす人々だと言われています。でも、遮光すると疲れてしまうタイプなので、ひとりの時間にエネルギーを充電するタイプです。つまり、外で楽しい時間を過ごしても、充電は1人で行いたい。ひとりの時間が欠かせない。それが内向的な人々です。
一方で、外向的な人は基本的な意識が外に向かっているので、人や環境から刺激を受けて元気になります。とくにグループで何かをすると元気が出るので、一対一の関係よりもグループ交際を好む傾向があります。また、ひとりで過ごす時間が苦手という人も少なくなくて、家に籠ると鬱々としてしまうこともあるので、できれば誰かと過ごしたいと感じる傾向があります。
また、内向的・外向的には個人の度合いがあって、たとえば内向的度90%の人もいれば、70%、55%の人もいます。内向的度55%の人だと、周りからは外向的な人に見られることがあるかもしれません。本人も、自分は外向的なタイプだと感じてる場合もあるでしょう。でも、充電が必要な時に、もし1人でいたいタイプだと感じれば、それは内向的だというサインです。
外向的・内向的という定義は、心理学者カール・ユングが提唱したコンセプトで、現代社会では広く使われています。基本的に、人はどちらの要素も兼ね備えているものですが、でも突き詰めていくと、個人は常にどちらかのタイプに偏る傾向がある、とユングは唱えています。
自分がどちらのタイプよりなのかを理解していると、人間関係の築き方や、疲れたときの回復法、余暇の過ごし方などにとても役立ちます。
「自分を知ること」は、さまざまな面で人生をより豊かにしてくれるものだと思います。
そんなわけで、内向的な人にとって、寒い冬はおこもりが幸せな時期です。
あなたはどんな活動をして、おこもりの時期を過ごしていますか?
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