寄り添う香り
- Sakura Nimura
- 7月22日
- 読了時間: 2分

久しぶりに自分自身にプレゼントを、とサンタ・マリア・ノヴェッラのフレグランスを購入しました。身体につける香水ではなくて、クローゼット用のフレグランスです。
特殊な吸水性セルロース素材の紙が一緒についてくるのですが、その紙にフレグランスを吹きかけて箪笥の引き出しに入れたり、紙に紐を付けてクローゼットに吊り下げておくと、香りがほんのりと衣類などにうつる、という仕組みです。
子供の頃、年上の素敵なお姉さんに「箪笥の引き出しに石鹸を入れておくと服がいい香りになるよ。」と、教えられて真似をしていたことがありましたが、このプロダクトはまさにその大人バージョン。上品なラベンダーと石鹸が混じったような、柔らかいけれど少し深みを感じさせる、とてもいい香りです。
以前は洗濯洗剤や柔軟剤に香りがあるものを使っていたのですが、昨今のマイクロプラスチック問題を受けて、そういった製品を使わないように努力し始めました。環境にいい洗剤は、無香料、または弱い香りのものになります。衣類からいい香りを漂わせたいと思う人にとっては少し物足りないものです。だからといって、毎日のように香水をまとうのも、なんだか違うような・・・。
香り、とくに香水は人を攻撃してしまうことがありますが、衣類からほんのりと香る匂いは、誰かのためではなく、自分のための静かな香りです。朝、シャワーを浴びて下着を身につける時や、クローゼットからその日の服を選ぶときにふっと香って、気持ちを柔らかくしてくれる、ささやかに寄り添ってくる、やさしい香り。
過去の自分が、今日の自分のために仕掛けた、整うための小さなリチュアルのような気がしています。
あなたはどんな香りを、クローゼットや箪笥の中に忍ばせていますか?